PCメガネの仕組み
そもそもPC対応レンズを使ったメガネの仕組みは、どのようになっているのでしょう。
液晶ディスプレイからは、さまざまな波長の光が出ています。
中でも目の疲れに影響していると言われるのが、紫外線から可視光の青の領域の光です。

そこで、メガネにフィルターをかけてこの部分の光を減らし、目への負担を軽減しようというのがこのレンズの仕組みです。
簡単に言えばサングラスと同じ仕掛けです。
実際のところ、大昔から「パソコン用サングラス」的なものはありました。
20年くらい前にパソコン雑誌の広告にも掲載されていました。
それらと最新のPC対応レンズが異なるのは、どうやらLEDバックライトの普及にあるようです。
これらのレンズでは、LEDバックライトから特に多く出る、紫外線から可視光の青の領域をカットすることで、より目への負担を軽減しようというのが狙いなのです。
JINS対Zoff対決
PC対応レンズは、2011年にJINSが「JINS PC」、追ってZoffが「Zoff PC」を発売しました。
安売り大手2社が手がけたことで、この種のレンズの知名度が一気に上がった感があります。
それではその2社を比べてみましょう。
青の領域を弱くするという考え方からJINS PCもZoff PCも、レンズはブラウンがかったものになっています。
外から見れば「ブラウンのカラーレンズ」に見えますね。
だが、そこに両社の最大の違いがあります。
それは一目瞭然で、JINS PCはかなり薄めのブラウンであるのに対し、Zoff PCは「カラーレンズ」と誰の目にもわかるくらいの違いがあります。
JINS PCは確かに青系統が若干やわらかくなり、結果として白が見やすくなります。
一日中ずっとかけていても、目の疲れが少ないと感じます。
Zoff PCはかけた瞬間、視界がちょっと茶色く感じるほど色が変わります。
少なくともこれをかけたまま写真の色調整などはやめた方が良いでしょう。
自宅で仕事の時だけ使うのであればZoff PCの方が効果が高いかもしれませんが、外では目立って使い難く文字向きです。
逆にJINS PCは外でも違和感は無く全般向きです。
https://youtu.be/c9HSZbIPdks
ブルーライトは有害?
過度の青色光が目に悪影響を及ぼす可能性の論拠はいくつかあります。
可視光線の中でも青色光は紫外線に近くエネルギーが高いです。
他の色の光に比べて散乱しやすく、睡眠障害との関連も指摘されています。
眼科医の協力を得て、色の無いメガネといわゆるPCメガネを比較した場合、臨床実験では目の疲れなどで効果の違いが見られました。
ただ、LEDバックライトを搭載したパソコンが普及したのはごく最近のことであり、2012年に数人の眼科医や研究者が中心となって「ブルーライト研究会」を発足させるなど、具体的な研究はこれからの分野といえます。